映画「ウォッチメン」レビュー:絶妙に惜しい新感覚ヒーローもの
作品情報
タイトル:ウォッチメン
公開年:2009
上映時間:163分
監督:ザック・スナイダー
あらすじ:
世界を揺るがす事件の陰には“監視者”がいた。 ウォッチメンと呼ばれた彼らが今、次々と消されていく。 闇に隠された想像を絶する巨大な陰謀。 真実の先に待ち受けるものとは― (Filmarksより)
感想・評価
みたことがないタイプのアメコミヒーローもの。
鑑賞後に動けなくなるような出来になるポテンシャルのある設定だと思う。
が、この映画自体の出来は正直そこまでではなかったかな…
「コンスタンティン」よろしく、10代の頃に観られていたらもっと思い出に残る作品になっただろう。
まずオープニングが豪華すぎ。
これだけで1本のMV的な作品として成立してる!ツカミはばっちり。
だけど、時代をリアルに描画した飛び道具的なものに過ぎなくてストーリーと深く連関していなかったのはやや残念。
話の本筋は、いわゆるヒーローがヒーローヒーローしたヒーローものではなく、ヒーローがみんな人間臭くてエゴにまみれたクソ野郎みたいなやつばっかなのがいい味出してた。
そこが(どちらかというと僕が苦手な)普通のヒーロー物と違っていて、この作品は非常に肌に合っていたといえる。
けど、その「ヒーロー物らしくなさ」をコンセプトとして携えながらも、どこか商業主義的な「ヒーロー物臭さ」が感じられたのも正直な感想。
それがあったからハマりきらなかったのかも…
全体の壮大さからしたらどーでもいいところ(血縁のもつれ等)にスポット当てすぎ!とか、火星描写とか悪の親玉の細かい部分がダサい!とか、没入感を削ぐ要素がどうしても目についてしまった。
何はともあれ、Dr.マンハッタンよ…!
SF好きならみんな虜になるだろう、これは…
彼の存在がなければ、この作品はここまで哲学的な次元に昇華できなかった。
偉大なる存在に感謝。
しかしまあ、「ドクター・ストレンジ」のドルマムゥもそうだけど…
こんなぶっ飛んだチート概念をよくストーリーのなかでハンドリングできるよなあと思う。凄すぎる。
視聴リンク
採点
この映画の評価は…
★6:人に話振られたら「良いよね」と言える(印象深かった何かがある)