映画「ウェイキング・ライフ」レビュー:哲学的ジェットコースター
作品情報
タイトル:ウェイキング・ライフ
公開年:2001年
上映時間:101分
監督:リチャード・リンクレイター
あらすじ:
「恋人までの距離」のリチャード・リンクレイター監督が、実写映像をさまざまなイラストレーターにデジタル・ペインティングで加工させ、実写でもアニメでもない映像を展開していく。 リンクレイター監督本人はじめ、彼の過去作出演者や友人、スタッフらが多数出演。 ひとりの少年が夢とも現実ともつかない時間の中で、さまざまな人物と出会い、夢について、人間について、会話を交わしていく。 (映画.comより)
感想・評価
夢とも現実ともつかない時空間をさまよう主人公の男が、出会う人出会う人みんなから哲学的啓示をひたすら受けつづける映画。
独特で奇妙で浮遊感のあるロトスコープ(実写を上塗りした映像)に加え、ものすごいペースでひたすら概念的・観念的なメッセージを一方的に投げかけられるので、まともに観てたら脳がオーバーヒートする。
ブレインストーム、アルタード・ステーツ、インセプション、ソラリス、コングレス未来学会議、白昼の幻想、などなど…今までも「精神世界」をテーマにした映画は何作か観てきているが、それらはあくまで「精神世界にトリップしてる人」を俯瞰で観る映画であって、この映画は鑑賞してる自分自身がトリップするというハードめな構造の映画だった。
※強いて言うなら「エンター・ザ・ボイド」に近い。ただしエンター・ザ・ボイドは極めて非言語的なのに対して、ウェイキング・ライフは極めて言語的。
内省型人間の僕はめちゃくちゃ好きな映画だが、同じく内省型であろう人にしか勧められない作品。
青春時代にこのテの映画に出会ってドップリいっちゃった男女2人が出会って恋をするとビフォア・サンライズみたいな恋愛をしそう。
こういう話ができる人たちと、1パートごとに一時停止しながら、各々のテーマについて夜通し語り明かす、みたいなことがしたくなる映画。
視聴リンク
採点
この映画の評価は…
★7:好き。場が映画の話なら話題にする