iPhone15Pro用のMagSafe充電スタンドを比較検討してみた
iPhone12ProからiPhone15Proに買い替えたところ、今まで使っていた3in1充電スタンドのサイズが合わなくなってしまった。
カメラ部分が大きくなったことによって、微妙に後ろが浮くようになってしまったのだ。
というわけで、充電規格の違い(MagSafe/Qi)を調べ、今ある商品を比較検討してみた。
Qi/MagSafeと充電速度の関係
まず、ワイヤレス充電の規格について整理する。
ワイヤレス充電で最も有名な規格といえばQi(チー)だ。
iPhone独自の規格「MagSafe」と混同しやすいが、iPhoneでのワイヤレス充電もQiがベースになっている。
Qiには15W・10W・7.5W・5Wの4種類の出力があり、このW数に比例して充電速度が上がる。
このうち、iPhoneが対応しているのは15W/7.5W/5Wの3種類だ。
ただしAppleは、iPhoneでの15Wワイヤレス充電をMagSafeでしか出来ないように制限している。
MagSafeの中にあるチップで、自社が認証した製品かどうかを判別しているのだ。
なので、iPhoneで使えるピタッとくっつくワイヤレス磁石があったとしても…
それが認証品でなければ、ただの「磁石が内蔵されているQi充電器」なので、15Wでの充電は出来ない。
例えば、
①MagSafe認証品で15W出力対応
②MagSafe認証品ではなく15W・7.5W出力対応
③MagSafe認証品ではなく15Wのみ出力対応
の3種類のワイヤレス充電器があったとして、それぞれをiPhoneに対して使用したとしよう。
①はもちろん15Wで充電が可能。
②は本来15Wに対応しているが、認定品ではないため15W出力で使用できず、7.5Wの出力となる。
さらに③のように充電器自体が7.5Wに対応していないパターンでは、15Wも7.5Wも使用できないため、5Wの出力となってしまう。
このように「Apple認定品か否か」「充電器が何W出力に対応しているか」の組み合わせによって、
同じようなワイヤレス充電器であっても充電速度に最大3倍の差が出てしまうのだ。
MagSafe充電器を買うべきか?
ここまでの情報から考えるなら、Apple公式認証品であるMagSafe充電器を買うべきという判断になるだろう。
だがしかし、MagSafe充電器には致命的な欠点が一つある。
品揃えが少ない上に、異常に高額なのだ。
僕が今まで使用していた充電スタンドも、Apple認証のものではなくただのQiの製品である。
Apple公式認証品ではないので7.5W出力が限度だ。
同じ3in1の充電スタンドでも僕のは6千円前後だが、Apple認証のものは2万円前後になる。
個人的には、画面をこちらに向けながら充電できるという要件はマストだが、充電速度はそこまで拘らないのでQi製品で十分だった。
ここは、個々人の好みによるだろう。
充電速度をこだわる人はApple認証のMagSafe充電器にすべきだし、そうでない人はQiの7.5W製品で十分だ。
というわけで、「Apple認証のMagSafe充電器」「ただのQiの7.5W充電器」に分けて、今あるめぼしい商品を調べていく。
MagSafe対応製品
Apple認証品のMagSafe充電器はそもそも数が少なく、僕が望む3in1以上のスタンドとなると目ぼしいものは以下のものしかなさそうだ。(2023年10月時点)
- HyperJuice:29,900円
た、高すぎる…
しかし全部入りのこの性能は素晴らしい。
折りたためるのもポイントが高い。
- ANKER:21,800円
みんな大好きANKERということで品質は間違いなさそう。
そして携帯しやすいデザインも素敵だが、これも高すぎる…
- Belkin:20,100円
Apple認証MagSafeスタンドとして一番有名な機種。
ただやっぱり高すぎるし、汎用的なUSB Type-Cコネクタではなく独自のACアダプタな点もイマイチだ。
- UGREEN:15,999円
上記に比べると安価だが、AirPods用のQiエリアの直上にMagSafeスタンドがある。
これだとAirPods以外のQiアクセサリ(僕が使っているBluetoothスピーカーなど)への応用が効かないので個人的にはナシ。
- MOMAX:15,990円
これが今のところ3in1スタンドで最安値のMagSafe認証品となる。
デザインもいい感じで、MagSafeに拘るなら僕はこれを買うと思う。
ちなみに認証品かどうかは、以下のロゴが商品ページに提示されているかどうかで判断できる。
Qi(7.5W)対応の機種
MagSafe認証品ではない、ただ「磁石内蔵のQi製品」であれば無数に商品がある。
無数にあるからこそ、品質が怪しいものが多いのでメーカーは選ぶべきだろう。
- エレコム:8,173円
デザインも信頼性も申し分ないが、やや高い。
- ANKER:6,990円
僕が現在使用しているのと同様、Watchのケーブルも自分で用意するタイプのもの。
そのぶん安価でコスパの良い商品となっている。
Qi2の噂について
今年、AppleのMagSafe規格をもとにして開発された「Qi2」という規格が発表された。
MagSafeと同様に磁石で固定する事で充電効率を上げ、15W以上に対応する規格だ。
そしてiPhone15シリーズはこのQi2に対応していると発表されている。
おそらくより汎用的なQi2対応の充電器は、MagSafe認証品よりは安価になると考えられる。
なので充電速度にこだわり、価格も抑えたい人はQi2対応製品の発売を待つというのも一つの手だろう。
とはいえ、Appleが今までのMagSafe認証品の縛りを解除して、Qi2の充電器をそのままiPhoneで使用できるようにしているかどうかはわからない。
なぜならiPhone15の仕様表には依然として「Qiは最大7.5W」と表記されているからだ。